特定遊興飲食店営業とは、「遊興」「深夜」「酒類を伴う飲食」の3拍子が揃った営業形態のことをいいますが、このうちわかったようでよくわからないのが「遊興」だと思います。

一般的に「遊興」とは文字通り「遊び興じる」意味ですが、公安委員会の定義によると、特定遊興飲食店営業の場合の「遊興」とは、営業者側の積極的な行為によって「遊び興じさせる」ことをいいます。

ですから、例えば、ショー等を鑑賞するよう客に勧めたり、実演者が客の反応に対応するような状態で演奏したり、演技したりするのは積極的な行為とみなされますので、客に遊興させていることになります。

これに対して、単にテレビの映像や録音された音楽を流すような場合には、積極的な行為には当たりませんので遊興させていることにはなりません。

また、スポーツ・バーなどでスポーツ等の映像を不特定の客に見せるとともに、客に呼びかけて応援等に参加させる行為は、客に遊興させている行為となります。

一方、これについても、単に映像を不特定の客に見せるだけで、客が勝手に応援している場合には遊興させていることには当たらないとされています。

以上のように、客に遊興させているかどうかは、店側の行為が客に勧めたり働きかけるなど積極的な行為であるかどうかで判断が分かれることになるのです。